大人の絵本 365日

1日に ひとつ、静かに 心に とどく物語を

1月7日

戻ってきた、ひとりの物語のさし絵

戻ってきた、ひとりの物語

― 感謝を届けにいくこと ―

ある年の冬、季節外れの嵐が山を襲い、道に迷った10人の旅人が、山あいの小さな宿にたどり着いた。

宿の主人は、突然の10人を前にしても嫌な顔ひとつせず、暖かい部屋と食事を用意し、嵐が過ぎるまで何日も世話をした。

ようやく空が晴れた朝、10人はそれぞれの行き先へと、口々にお礼を言いながら、足早に宿を後にしていった。主人は、いつものように静かに見送った。

それから数日後、1人の旅人だけが、わざわざ道を戻ってきた。「あの時は、本当にありがとうございました。おかげで無事に家族のもとへ帰れました」。主人は少し驚いて、こう尋ねた。「他の9人は?」旅人は答えた。「みんな、それぞれの用事で急いでいたのだと思います」。

主人は微笑んで言った。「戻ってくることだけが、感謝の伝え方ではないよ。でも、あなたがこうして戻ってきてくれたことは、私の心に、ずっと残ると思う」

助けてもらったことを覚えていて、あらためて心を伝えにいく。当たり前のようでいて、実はとても尊いことなのかもしれません。

「思いわずらいを、すべて神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです。」

ペテロの手紙第一 5章7節(新改訳2017)

「恐れるな。わたしはあなたとともにいる。たじろぐな。わたしがあなたの神だから。わたしはあなたを強くし、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る。」

イザヤ書 41章10節(新改訳2017)

「主は心の打ち砕かれた者の近くにおられ、霊の砕かれた者を救われる。」

詩篇 34篇18節(新改訳2017)